この記事の結論
- 共働き家庭では、発災時に両親がすぐ迎えに行けない可能性を前提に備えておく必要がある
- 保育園・学校の「引き渡しルール」は事前に確認し、代理で迎えを頼める人も決めておく
- 子どもと「一人で待つことになったときの約束事」を話し合っておく
- 家族の安否確認方法は、電話がつながらない場合も想定して複数用意しておく
共働き家庭では、災害が起きたときに両親のどちらも、すぐに子どものもとへ駆けつけられるとは限りません。
防災グッズをそろえることに加えて、「誰が、どうやって子どもを迎えに行くか」というルールを決めておくことも、大切な備えの一つです。
この記事では、共働き家庭が事前に確認しておきたい引き渡しルールと連絡手段を紹介します。
共働き家庭で防災グッズ以外に備えておきたいこと
まずは、共働き家庭ならではの前提を確認しておきましょう。
発災時、両親ともすぐには動けない可能性がある
平日の日中に災害が起きた場合、両親はそれぞれ別の職場にいて、交通機関の乱れなどですぐに動けないことがあります。
電車が止まって徒歩帰宅になれば数時間、道路が渋滞すれば車でも身動きが取れなくなり、迎えに行きたくても物理的に行けない時間帯が数時間から半日程度続く可能性があります。
「どちらかがすぐ迎えに行ける」という前提ではなく、両方とも動けない時間帯があるという前提で備えを考えておくと安心です。
「モノ」だけでなく「ルール」の備えが重要になる
防災グッズという「モノ」の備えに加えて、共働き家庭では「誰が」「どこで」「どう動くか」というルールの備えが特に重要になります。
文部科学省の「学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き」でも、引き渡しに関するルールをあらかじめ保護者と共有しておくことの重要性が示されています。
保育園・学校の引き渡しルールを確認しておく
引き渡しルールは園・学校ごとに定められているため、まずは自分の子どもが通う施設の資料を確認することが出発点になります。
引き渡し訓練で確認しておきたいポイント
多くの保育園・学校では、防災の日(9月1日)前後に「引き渡し訓練」が実施されています。
訓練に参加できると、集合場所や引き渡しの手順、本人確認の方法などを実際の流れで確認できます。
参加が難しい年度があっても、配布されるルールの資料には必ず目を通しておくことをおすすめします。

引き渡しカード・緊急連絡カードに書いておきたい項目
多くの園・学校では、年度はじめに「緊急時引き渡しカード」のような書類の提出を求められます。
記載する項目は、園児・児童の氏名とクラス、保護者の氏名・続柄・連絡先、代理人の氏名・続柄・連絡先、引き渡し時に提示する本人確認書類の種類(運転免許証・マイナンバーカードなど)が一般的です。
年度の途中で代理人を追加・変更したい場合は、その都度園・学校に申し出て、書類を更新しておく必要があります。
代理での迎えを頼める人をリストにしておく
両親のどちらも迎えに行けない場合に備えて、祖父母や近隣の知人など、代理で迎えを頼める人を2〜3人はリストアップしておきましょう。
多くの園・学校では、事前に登録した人以外への引き渡しを行わない方針をとっているため、登録の手続きを済ませておくことが前提になります。

保育園と小学校でルールが異なる点
保育園は年齢の低い子どもを預かる施設のため、在園児は原則として保護者または登録した代理人への引き渡しが基本になっている園がほとんどです。
一方、小学校は「集団下校」「学校待機」「引き渡し」のいずれかを、発災の時間帯や地域の被害状況に応じて学校側が選択する仕組みになっていることが多く、保育園ほど一律に「必ず引き渡し」とは限りません。
同じ「共働き家庭」でも、通っているのが保育園か小学校かによって想定しておくべき対応が変わるため、両方の子どもがいる家庭は特に、それぞれのルールを別々に確認しておくことが大切です。
震度でどう変わる?「引き渡し」と「学校待機」の判断
「震度いくつ以上で学校待機になるか」という基準は、学校防災マニュアルの手引きに沿って学校ごとに個別に定められているため、全国一律の数字があるわけではありません。
ただし、各地の学校の防災マニュアルを見ると、震度5弱以上で「学校で待機させ、保護者の迎えを待って引き渡す」形にしている例が多く、次のような傾向があります。
| 震度の目安 | 対応の傾向 |
|---|---|
| 震度4以下 | 施設や通学路の安全を確かめたうえで、通常どおりの下校・保育(集団下校にする学校もある) |
| 震度5弱以上 | 学校・園で待機し、保護者・登録した代理人が迎えに来たら引き渡し |
| 迎えが来ない・引き渡せない | 引き渡せるまで学校内などの安全な場所で待機 |
この表はあくまで一般的な傾向であり、実際の基準は必ず在籍する園・学校の配布資料で確認してください。
自宅や職場で強い揺れを感じたときは、気象庁が発表する震度情報をテレビ・ラジオ・スマートフォンの速報アプリで確認し、園や学校の対応方針を予測する材料にしましょう。

多くの園・学校では、引き渡しか学校待機かが決まった段階で、専用の連絡アプリやメール配信で一斉に通知する仕組みを整えています。
子どもと事前に話しておきたいこと
ルールを大人だけで把握していても、子ども本人が動揺してしまっては意味がありません。
一人で待つことになった場合の約束事
小学生以上の子どもがいる家庭では、留守番中や登下校中に被災した場合の約束事も決めておくと安心です。
「先生や近所の大人の指示に従う」「むやみに一人で移動しない」など、年齢に合わせた具体的な約束にしておきましょう。
自宅前で落ち合えない場合に備えて、近所の公園や自治会の集合場所など、家族で共有できる第二の待ち合わせ場所を1〜2か所決めておくと、行き違いを防ぎやすくなります。
家族との連絡手段(災害用伝言ダイヤル171など)
災害時は電話がつながりにくくなることがあるため、災害用伝言ダイヤル(171)など、複数の連絡手段を家族で共有しておきましょう。
171は、自宅の電話番号を宛先にして伝言を録音・再生する仕組みで、毎月1日と15日には体験利用日が設けられているため、事前に家族で操作を練習しておくと安心です。
子ども自身にも、簡単な操作方法や家族の電話番号を紙に書いて持たせておくと安心です。

日頃からできる備え
最後に、共働き家庭が日頃から確認しておきたいことをチェックリストにまとめました。
共働き家庭でチェックしておきたいことです。
・保育園/学校の引き渡しルールの資料を確認している
・引き渡しカードに書いた代理人の情報が最新になっている
・代理で迎えを頼める人の登録を済ませている
・家族の連絡手段が複数決まっている
・子ども自身が家族の連絡先を把握している
一つずつでよいので、家族で話し合う時間を作ってみましょう。
まとめ
共働き家庭では、防災グッズだけでなく、子どもの引き渡しルールや連絡手段という「ルールの備え」も欠かせません。
保育園・学校のルールを事前に確認し、代理で迎えを頼める人を決めておくことで、いざというときの迷いを減らせます。
子どもとも一緒に、約束事を話し合っておきましょう。
今日のアクション
- 保育園・学校の引き渡しルールの資料を確認する
- 代理で迎えを頼める人を家族で話し合って決めておく
- 子どもと一緒に災害用伝言ダイヤル(171)の使い方を確認する


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