この記事の結論
- 防災グッズをそろえるだけでなく、家具が倒れてこない・ガラスが飛び散らない部屋づくりも地震対策の一つ
- 東京消防庁によると、壁に直接ねじ止めするL字金具が最も効果的とされ、それが使えない場合は突っ張り棒とストッパー式・粘着マット式の併用が現実的な選択肢になる
- 寝室や避難経路には、できるだけ背の高い家具を置かない配置も有効とされる
- 窓ガラス・食器棚のガラスには、飛散防止フィルムと収納の低い位置への配置をあわせて検討する
防災グッズを一通りそろえたあと、部屋そのものの安全性まで見直したことはあるでしょうか。
地震では、家具の転倒やガラスの飛散によってけがをするケースがあるとされており、モノを備えるだけでなく、住まいの環境そのものを見直すことも地震対策の一つです。
この記事では、家の中でやっておきたい家具の転倒防止・ガラス飛散防止の工夫を紹介します。
防災グッズと合わせて確認したい「部屋の中の安全性」
家具の対策は、防災グッズをそろえる前後どちらのタイミングでも取り組める備えです。
道具をそろえるだけなら数千円から始められるため、防災グッズの購入予算と分けて、部屋の安全対策用の予算を別に確保しておくのもおすすめです。
家具の転倒・落下やガラスの飛散にも注意が必要
東京消防庁の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」によると、大きな地震では家具の転倒・落下・移動によるけがが多く発生しており、東京都防災ホームページでも同様の対策が呼びかけられています。
窓ガラスや食器棚のガラスが割れて、破片が飛び散る可能性も考えられます。
モノを備えるだけでなく、環境そのものを見直す視点
非常持ち出し袋や備蓄品をそろえることに加えて、そもそも部屋の中でけがをしにくい環境を作っておくことも、あわせて考えておきたい備えです。
家具の転倒防止グッズの種類
転倒防止グッズにはいくつか種類があり、それぞれ効果の強さや設置のしやすさが異なります。
突っ張り棒(耐震ポール)
家具の上部と天井の間に設置して固定する突っ張り棒は、壁や家具に穴を開けずに使える点が特徴です。
ただし、東京消防庁のハンドブックでは、突っ張り棒単独では震度6強クラスの揺れに対する効果は小さいと指摘されており、後述するストッパー式や粘着マット式との併用が推奨されています。
天井の構造によっては、地震時に突っ張り棒が天井を突き破り、かえって家具が転倒しやすくなる場合もあるとされています。
天井の強度が心配な場合は、家具と同じ横幅の厚めの板を天井と突っ張り棒の間に1枚挟むと、力が一点に集中せず効果的とされています。

粘着マット・転倒防止プレート、それぞれの役割の違い
粘着マットと転倒防止プレートは似た用途に見えますが、働き方が異なります。
粘着マットは家具の底面に貼り付け、床との間の摩擦を高めることで、揺れによる家具の横滑りやずれを抑えるアイテムです。
転倒防止プレートは、家具の前方下部に差し込んで本体をわずかに後方(壁側)へ傾けることで、前方への転倒そのものを起きにくくする器具で、粘着マットとは作用のしくみが異なります。
突っ張り棒と組み合わせて使うと、より安定させやすくなります。
価格帯の目安は、粘着マットが1セット1,000〜2,000円程度、転倒防止プレートが1個500〜1,500円程度で、いずれも工具なしで設置できる手軽さが特徴です。
L字金具などの固定金具
壁に直接ねじ止めするL字金具は、東京消防庁のハンドブックでも最も効果的な対策として位置づけられていますが、賃貸住宅では原状回復の観点から使いにくい場合があります。
持ち家か賃貸かによって、選べる固定方法が変わることも意識しておきましょう。
L字金具は、下地(柱や間柱)のある位置にねじ止めしてはじめて、パッケージに書かれた耐荷重どおりの固定が期待できます。
耐荷重は製品ごとに違うため、家具の重さと見比べて選び、施工前に下地の位置を確認しておくと安心です。

ガラス・食器の飛散対策
家具の固定とあわせて、ガラスが割れたときの飛散対策も確認しておきましょう。
窓ガラスの飛散防止フィルム
窓ガラスに貼る飛散防止フィルムは、割れたときの破片の飛び散りを抑える効果が期待されるアイテムです。
屋内側のガラス面に貼る「内貼りタイプ」が一般的で、厚み50〜100ミクロン程度の製品が広く流通しており、防犯性能もあわせて持たせたフィルムはさらに厚みがあります。
屋外側に貼る「外貼りタイプ」は紫外線劣化への耐性を重視した製品が多く、用途によって内貼り・外貼りを使い分けます。
価格帯は1枚(掃き出し窓サイズ)あたり2,000〜5,000円程度が目安で、寝室やリビングなど、長い時間を過ごす部屋の窓から優先して検討するとよいでしょう。

食器棚の扉ロック・滑り止め
食器棚には、揺れで扉が開かないようにする扉ロックや、食器の下に敷く滑り止めシートも有効とされています。
重い食器や割れ物は、できるだけ低い位置の収納にまとめておくことも、シンプルながら有効な工夫です。
賃貸住宅でもできる工夫
賃貸住宅では、壁に穴を開ける対策が使えないケースも多くあります。
賃貸住宅でも取り入れやすい組み合わせです。
・突っ張り棒+粘着マット(またはストッパー式)で、穴を開けずに家具を固定する
・窓・食器棚には内貼りタイプの飛散防止フィルムを使う
・退去時に取り外しやすい製品かどうかを事前に確認する
L字金具を使えない住まいでは、突っ張り棒と粘着マット(またはストッパー式)の併用が、賃貸でも取り入れやすい現実的な選択肢になります。
家具の配置そのものを見直す
固定グッズと並行して、配置そのものを見直すことも効果的です。
寝室・避難経路に背の高い家具を置かない
固定グッズを使うことに加えて、そもそも高さ120cm以上の背の高い家具を寝室や玄関までの避難経路に置かない、という配置の工夫も効果的です。
家具の買い替えのタイミングで、背の低い収納に変えることも一つの選択肢になります。

就寝中の地震で特に注意したい場所
就寝中は揺れにすぐ気づきにくく、とっさに身を守る行動も取りにくい状態です。
ベッドや布団のすぐそばに、倒れやすい家具や割れやすいものを置かないようにしましょう。
なお、通電火災を防ぐための感震ブレーカーなど、マンション・集合住宅ならではの対策については、マンション・集合住宅ならではの防災グッズで詳しく紹介しています。
まとめ
防災グッズをそろえることに加えて、家具の転倒防止やガラスの飛散対策も、地震への備えの一つです。
L字金具が使える住まいならそれが最も効果的ですが、賃貸住宅では突っ張り棒と粘着マット(またはストッパー式)を組み合わせるだけでも、無理なく対策を取り入れられます。
まずは今の部屋を見渡して、倒れそうな家具がないか確認してみましょう。
今日のアクション
- 寝室・避難経路に倒れやすい家具がないか確認する
- 背の高い家具に突っ張り棒や粘着マットを取り付ける(できればL字金具も検討する)
- 窓ガラス・食器棚のガラスに飛散防止フィルムを検討する


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