この記事の結論
- 自宅の防災グッズとは別に、外出先で被災したときのための「携帯防災ポーチ」を用意しておくと安心
- 旅行・帰省先では土地勘がない分、情報収集の手段を複数用意しておくことが特に大切
- 公衆電話用の小銭(10円玉)や、緊急連絡先を紙に書いたメモも役立つ
- 中身は移動手段や季節に合わせて調整するとよい
防災グッズというと、自宅に置いておく非常持ち出し袋や備蓄品をイメージする人が多いかもしれません。
しかし、災害はいつ起きるか分からず、旅行や帰省の途中、外出先で被災する可能性も十分にあります。
旅行・帰省・外出先での被災に備えるなら、普段のバッグに入る携帯防災ポーチを1つ用意しておくのが近道です。
自宅の防災グッズだけでは足りない場面がある
まずは、なぜ自宅とは別に携帯防災ポーチが必要なのかを確認しておきましょう。
「0次の備え」という考え方
自宅の非常持ち出し袋を「一次の備え」とするなら、常に身につけておく最小限の備えは「0次の備え」と呼ばれることがあります。
通勤・通学、旅行、外出のたびに、自宅にいるとは限らないという前提で考えるのが、携帯防災ポーチの出発点です。
旅行・帰省先は自宅と勝手が違う
旅行や帰省先では、避難場所や避難経路の土地勘がないため、自宅で被災するときよりも判断が難しくなりがちです。
普段から持ち歩けるポーチを用意しておくと、そうした場面でも最低限の備えを確保できます。
携帯防災ポーチに入れておきたい基本のもの
基本の中身は、情報・連絡系、衛生・応急手当系、そして公衆電話用の備えの3つに分けて考えます。
情報・連絡系(モバイルバッテリー、ホイッスル、緊急連絡先メモ)
スマートフォンが使えるかどうかで、情報収集のしやすさは大きく変わるため、小型のモバイルバッテリーは優先度の高いアイテムです。
閉じ込められた場合などに周囲へ知らせるホイッスルや、家族の緊急連絡先を書いたメモも、あわせて入れておきましょう。

衛生・応急手当系(携帯トイレ、絆創膏、常備薬)
簡易的な携帯トイレや絆創膏、常備薬なども、コンパクトなサイズで販売されているものを選ぶと持ち歩きやすくなります。
食物アレルギーや持病がある場合の備えについては、別の記事で詳しく取り上げています。
公衆電話用の10円玉という昔ながらの備え
災害時は携帯電話が混雑してつながりにくくなる一方、公衆電話は「災害時優先電話」の扱いで通信規制の対象外のため、比較的つながりやすい電話です。
公衆電話は釣り銭が出ない仕組みのため、備えとして持っておくなら10円玉を数枚がポイントで、100円玉は使い切れなかった分が戻ってこない点に注意しましょう。
なお、災害救助法が適用される規模の災害では、NTT東日本・西日本の判断で公衆電話が無料化される場合があります。
このとき、液晶画面のあるグレーのディジタル公衆電話は硬貨もカードも不要ですが、アナログ公衆電話は硬貨かテレホンカードをいったん入れてからダイヤルし、通話後にそのまま返却される仕組みです。
停電時はテレホンカードが使えなくなることもあるため、小銭は無料化の有無にかかわらず備えておくと安心です。
旅行・帰省先で意識しておきたいこと
持ち物の準備とあわせて、現地での行動も意識しておくと安心です。
宿泊先での避難経路の確認
ホテルや旅館にチェックインしたら、客室に掲示されている避難経路図に一度目を通しておくと、いざというときに落ち着いて行動しやすくなります。
実家に帰省する場合も、家族と一緒に近くの避難場所を確認しておくと安心です。

土地勘がない分、情報収集の手段を複数持っておく
見知らぬ土地では、地元の人なら知っている危険箇所や避難場所の情報を持っていません。
気象庁の「キキクル(危険度分布)」や、NHKニュース・防災アプリ、Yahoo!防災速報など、出先でも使える情報源をあらかじめスマートフォンに入れておくことをおすすめします。
移動手段別に足しておきたいもの
移動手段によって、追加しておきたいものが変わります。
| 移動手段 | 追加しておきたいもの |
|---|---|
| 車での移動 | 飲料水・防寒具・スマートフォン用の車載充電器 |
| 公共交通機関での移動 | 徒歩帰宅も想定した歩きやすい靴・レインコート |
| 飛行機・新幹線での旅行 | 常備薬・機内に持ち込める範囲の軽食 |
車中泊になった場合の注意点
道路の寸断や渋滞で身動きが取れず、車内で一晩を過ごすことになるケースもあります。
エンジンをかけたまま停車する場合は、マフラー周辺の雪や土砂による排気ガスの逆流(一酸化炭素中毒)に注意し、換気を意識することが大切です。

自宅・車・職場など複数の場所に分散させて備える考え方については、別の記事で詳しく取り上げています。
駅や車内で長時間待機になった場合
電車やバスの運行が止まると、駅や車内で長時間待機することもあり得ます。
駅構内に留まる場合は、駅員の指示に従いつつ、むやみに線路に降りたり、混雑した改札に殺到したりしないことが基本です。
歩いて移動することになった場合を想定し、普段から歩きやすい靴で出かけることも一つの備えになります。
季節別に足しておきたいもの
移動手段に加えて、出かける季節によっても追加しておきたいものが変わります。
夏場の暑さ対策
夏場に停電や交通機関の停止が重なると、屋外や冷房の効かない場所で長時間過ごすことになりかねません。
熱中症対策として、塩分タブレットや冷却シート、小さな保冷剤をポーチに追加しておくと安心です。
冬場の寒さ対策
冬場は、屋外で長時間待機することになった場合の体温低下が心配です。
アルミ製の防寒シート、使い捨てカイロ、手袋をあらかじめポーチに入れておくと、荷物を増やさずに寒さへの備えができます。

0次・1次・2次の備え、早見表で整理する
携帯防災ポーチ(0次の備え)は、自宅の非常持ち出し袋(1次)・備蓄品(2次)とセットで考えると、全体像が整理しやすくなります。
| 段階 | 置き場所 | 中身の中心 | 想定するシーン |
|---|---|---|---|
| 0次の備え | 普段使うバッグ・ポケット | モバイルバッテリー・10円玉・絆創膏 | 旅行・帰省・通勤中の被災 |
| 1次の備え(非常持ち出し袋) | 玄関など持ち出しやすい場所 | 水・食料(1〜2食分)・懐中電灯 | 自宅からの避難 |
| 2次の備え(備蓄品) | 収納コンテナなど | 水・食料(3日〜1週間分)・簡易トイレ | 在宅避難・救援を待つ期間 |
一次持ち出し品と二次持ち出し品の違いについては、一次持ち出し品と二次持ち出し品の違いでさらに詳しく紹介しています。

普段の外出時にも応用できる考え方
携帯防災ポーチは、旅行や帰省だけでなく、通勤・通学バッグに常備しておく使い方もできます。
職場での帰宅困難への備えについては、別の記事で詳しく取り上げています。
携帯防災ポーチの中身チェックリストです。
・モバイルバッテリー、ホイッスル、緊急連絡先メモ
・携帯トイレ、絆創膏、常備薬
・公衆電話用の10円玉
・季節に応じた防寒・暑さ対策グッズ
まずは小さなポーチ1つから、無理のない範囲で用意してみましょう。
まとめ
自宅の防災グッズとは別に、外出先で被災したときのための携帯防災ポーチを用意しておくと安心です。
旅行や帰省先では土地勘がない分、情報収集の手段を複数持っておくことも意識してみてください。
次に出かけるときの持ち物に、小さな備えを一つ加えてみましょう。
今日のアクション
- 普段使っているバッグに入れられる小さなポーチを用意する
- モバイルバッテリー・絆創膏・10円玉を入れてみる
- 気象庁「キキクル」や自治体の防災アプリをスマートフォンに入れておく





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