この記事の結論
- 環境省はペットと一緒に安全な場所まで避難する「同行避難」を基本方針として推奨している
- 同行避難と、避難所でペットを飼養管理する「同伴避難」は、必ずしも同室で過ごせることを意味しないという前提で備えておく
- キャリーバッグ・リード・フード・水・迷子札は犬・猫共通で必ず用意しておきたいもの
- 犬はトイレ用品と排泄物の処理、猫は普段使っている猫砂とキャリーへの慣らしが特に重要
ペットを飼っている家庭では、自分たちの防災グッズだけでなく、ペットのための備えもあわせて考えておく必要があります。
この記事では、犬・猫と一緒に避難することを前提に、共通して必要なグッズと、それぞれに特有の備えを紹介します。
特に一人暮らしでペットと暮らしている場合は、ケージやキャリーバッグの置き場所に悩みやすいため、一人暮らしの防災グッズで紹介している収納スペースの工夫もあわせて参考にできます。
ペットと避難する前提で防災グッズをそろえる
ペットのための備えを考えるうえで、まず知っておきたいのが「同行避難」という考え方です。
同行避難と同伴避難の違い
環境省が推奨している「同行避難」とは、ペットと一緒に安全な場所まで避難する行動そのものを指す言葉です。
一方の「同伴避難」は、避難所までペットを連れて避難し、避難所でペットを飼養管理すること自体を指す言葉で、同行避難とは別の概念です。
同伴避難は必ずしも飼い主と同じ部屋で過ごせることを意味するわけではなく、屋外や専用のケージスペースでペットが管理される避難所も少なくありません(飼い主と同室で過ごせる形態は「同室避難」と呼ばれ、区別されています)。
「同行避難できても、避難所で飼い主と同じ部屋で過ごせるとは限らない」という前提で、お住まいの自治体の避難所がペットをどう受け入れているかを事前に確認しておくと安心です。
自宅が安全な場合は、ペットのストレスを抑えるために在宅避難を選ぶことも一つの方法です。
平常時からの備えが大切な理由
ペットがキャリーバッグやケージに慣れていないと、いざというときに中に入れられず、避難そのものが難しくなることがあります。
普段からキャリーバッグを寝床代わりに使わせておくなど、災害時以外のタイミングで慣らしておくことが、実は一番の備えになります。
特に猫は環境の変化に敏感で、成猫になってから慣らそうとすると時間がかかることも多いため、子猫のうちからキャリーバッグに触れさせておくと後がスムーズです。

犬・猫で共通して必要な防災グッズ
犬でも猫でも、まずそろえておきたい基本の品目は共通しています。
ここで紹介するのはあくまでペット用の備えで、飼い主自身の水・食料・トイレなどの備えは別に必要になるため、防災グッズの基本リストもあわせて確認しておきましょう。
キャリーバッグ・リード・首輪(迷子札)
移動や避難所での管理にはキャリーバッグやケージが欠かせません。
犬の場合はリードと首輪、猫の場合も脱走防止のためのハーネスやリードを用意しておくと安心です。
はぐれてしまった場合に備え、名前・連絡先を記載した迷子札を首輪に付けておくことも忘れずに行っておきましょう。
フード・水・食器、ペット用の常備薬
フードと水は、最低5日分程度を目安に用意しておくと安心とされています。
災害時は同じ銘柄のフードがすぐに手に入らないことがあるため、普段食べ慣れているフードを多めにストックしておくのが基本です。
持病があり薬を服用している場合は、人と同様にお薬手帳や処方内容が分かるメモを一緒に用意しておくと、避難先の動物病院でも対応してもらいやすくなります。

身元証明になるものの準備
迷子札に加えて、マイクロチップの装着や鑑札・登録番号の控えがあると、はぐれてしまった場合に飼い主のもとへ戻りやすくなります。
スマートフォンにペットの全身が分かる写真を数枚保存しておくと、探すときや保護してもらうときの目印として役立ちます。
犬の場合は鑑札と狂犬病予防注射済票の装着が法律で義務づけられているため、普段から首輪に付けておけば、迷子になったときの身元確認にもそのまま役立ちます。
犬に特有の備え
犬と避難する場合は、散歩や排泄まわりの備えを重点的に考えておく必要があります。
トイレ用品・排泄物処理袋
避難所や車内で過ごす時間が長くなると、普段外で済ませているトイレの機会が減ってしまいます。
室内で排泄できるようにペットシーツを多めに用意し、排泄物を処理する袋・消臭袋もセットでそろえておくと、周囲への配慮にもなります。
狂犬病予防接種の済票や、ワクチン接種の記録が分かるものを携帯しておくと、避難所でのトラブルを防ぎやすくなります。
大型犬は1回あたりの排泄量も多いため、ペットシーツはひとまわり大きいサイズをまとめて備えておくと安心です。
小型犬は室内で排泄することに慣れている子が多く、避難生活でも普段と近いトイレ用品を使えるようにしておくと、環境の変化によるストレスを抑えやすくなります。

物音や人の多さへの配慮
避難所は普段と違う物音や人の出入りが多く、犬にとって大きなストレスになることがあります。
口輪やハウス代わりになる布製のクレートカバーを用意しておくと、犬自身が落ち着ける空間を作りやすくなり、周囲への吠え声のトラブルも軽減できます。
警戒心から吠えやすい性格の犬もいるため、普段から「待て」「静かに」といった指示に慣らしておくと、避難所での物音への反応を落ち着かせやすくなります。
体格の大きい犬は、周囲の人にとって恐怖心につながりやすい面もあるため、リードを短めに持つ、クレートで過ごす時間を増やすといった配慮も意識しておきたいところです。
猫に特有の備え
猫は環境の変化に敏感なため、犬とはまた違った配慮が必要になります。
普段からの脱走防止対策
地震の揺れで玄関や窓が開いた瞬間に、驚いた猫が外へ飛び出してしまうケースは少なくありません。
網戸に脱走防止ロックを付けておく、玄関に猫用の柵を設置しておくなど、災害が起きる前の対策も備えの一部として考えておきましょう。
猫は犬に比べて体が小さく、わずかな隙間からでもすり抜けてしまうため、出入り口が上部と前面の2箇所にあるキャリーバッグを選んでおくと、驚いて動けなくなった猫も無理なく収容しやすくなります。
パニックを起こして暴れる猫は、いったん洗濯ネットに入れてからキャリーに入れると、飼い主・猫双方のけがを防ぎながら短時間で安全に収容できます。
猫用トイレ・猫砂
猫は決まった場所でしかトイレをしないことが多いため、普段使っている猫砂と同じタイプを数日分持ち出せるようにしておくと安心です。
折りたたみ式の簡易トイレを用意しておくと、避難先でも限られたスペースにトイレを設置しやすくなります。
猫はトイレの環境が変わるとがまんしてしまい、体調を崩すことがあるため、普段使っている猫砂のにおいが残ったものを少量持参しておくと、慣れた環境に近づけやすくなります。
複数の猫を飼っている多頭飼いの場合は、頭数分のトイレを避難先で用意できないことも多いため、普段から共有のトイレに慣らしておくと対応しやすくなります。

キャリーに慣らしておく練習
猫は犬に比べてキャリーバッグを嫌がる傾向が強く、いざというときに捕まえられずに逃げてしまうケースも少なくありません。
普段からキャリーの中でおやつをあげるなどして、キャリー自体を嫌な場所と結びつけないようにしておくことが、実際の避難をスムーズにする一番の準備になります。
ペットの防災グッズは、モノをそろえるだけでなく「キャリーに慣らしておく」「避難所のペット受け入れを確認しておく」という平常時の準備が特に重要です。
フード・水・迷子札は最低限、種類ごとの配慮も忘れずに準備しておきましょう。
まとめ
ペットと一緒に避難するための防災グッズは、キャリーバッグ・リード・フード・水・迷子札という共通の備えを土台に考えます。
犬はトイレ用品と排泄物の処理、猫は普段使っている猫砂とキャリーへの慣らしを、それぞれ意識しておくと安心です。
同行避難できても、避難所で飼い主と同じ部屋で過ごせるとは限らないため、お住まいの自治体の避難所がペットをどう受け入れているか、あらかじめ確認しておきましょう。
今日のアクション
- ペットが自分からキャリーバッグに入れるか、普段から慣らしておく
- フード・水を5日分程度、普段食べ慣れているものでストックする
- お住まいの自治体の避難所が、ペットをどう受け入れているか確認する


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