この記事の結論
- 災害時は普段食べている食品や飲んでいる薬が手に入りにくくなるため、多めに備えておくことが基本
- 何が食べられないか、どんな薬が必要かを「情報」として残しておくことも備えの一つになる
- 避難所の食事はアレルギー対応が十分でない場合が多いという前提で、自分の備えを用意しておく
- 必要な対応は症状や治療内容によって個人差が大きいため、かかりつけ医に相談しながら進める
災害への備えは、家族の誰にでも同じように必要というわけではありません。
食物アレルギーや持病がある家族がいる場合、一般的な備えに加えて、その人だけに必要な準備が出てきます。
この記事では、食物アレルギーや慢性疾患がある家族のために備えておきたい食品と、情報の準備の仕方を紹介します。
災害時、アレルギー・持病がある人が困りやすいこと
避難所の食事対応と、薬・治療の継続という2つの場面で、アレルギー・持病がある人は一般的な備えだけでは足りないことがあります。
まず、具体的にどんな場面で困りやすいのかを見ていきましょう。
避難所の食事はアレルギー対応が十分でない場合がある
避難所で配られる食事は、すべての人のアレルギーに対応しきれないことが多いとされています。

卵・乳・小麦などの特定原材料は、多くの加工食品や非常食に使われているため、配布される非常食を確認せずに食べることは避けたほうが安全です。
そのため、自分に合った食品は自分で備えておくという考え方が基本になります。
自宅の安全が確保できる場合は、避難所での食事の対応を心配する必要がない在宅避難も選択肢の一つです。
いつも飲んでいる薬が手元にない・処方が受けられない
災害直後は、いつも通っている病院や薬局が開いていない、処方箋が切れてしまうといった事態が起こり得ます。
持病がある場合、薬が数日手に入らないだけで、体調に大きく影響することもあります。
食物アレルギーがある場合の防災グッズ
防災グッズの基本リストに、アレルギー対応食を上乗せする発想で備えると考えやすくなります。
ローリングストックの進め方、情報カードの準備、誤食を防ぐ確認習慣という3つのポイントを紹介します。
アレルギー対応の非常食を多めにローリングストックする
アレルギー対応の非常食は、通常の非常食より種類が限られるため、見つけたときに少し多めに買っておくという考え方が現実的です。
日常的に食べ慣れているアレルギー対応食品を使ったローリングストックの進め方は、防災グッズの賞味期限・使用期限はどう管理する?ローリングストックの始め方を参考にしてください。
誤食を防ぐための情報カード・アレルギー表示の確認
災害時は慌てて食品を配ったり受け取ったりする場面が増えるため、アレルギーの内容を書いたカードを非常持ち出し袋に入れておくと、周囲に伝えやすくなります。
普段から食品表示を確認する習慣をつけておくことも、災害時の誤食を防ぐ備えの一つです。
なお、この記事では年齢を問わず家族の誰かにアレルギーがある場合の考え方を中心に扱っており、小さな子どものアレルギー対応食や月齢・年齢別に必要なものについては、赤ちゃん・小さな子どもがいる家庭の防災グッズで詳しく紹介しています。
慢性疾患(糖尿病・腎臓病など)がある場合の備え
食事制限を踏まえた非常食選び、薬や医療機器の予備確保、かかりつけ医への相談という3つの視点で備えを整理します。
特にインスリンなど自己判断で中断してはいけない薬がある場合は、事前の相談が欠かせません。
食事制限を踏まえた非常食の選び方
糖尿病や腎臓病など、日常的に食事の内容に配慮が必要な場合は、普段の食事制限に近い非常食を選んでおくと安心です。
災害急性期は血糖コントロールの目標が普段よりやや緩やかになる場合もあるとされていますが、詳しい目安はかかりつけ医に確認しておくと安心です。
お薬・血糖測定器などの予備、電源が必要な医療機器への対策
インスリンなどの薬を何日分手元に置くかは、処方量や受診の間隔によって変わるため、主治医と相談して決めます。
日本糖尿病協会は、処方されたインスリンを身近に保管し、できれば数か所に分けて持ち、外出時も持ち歩くよう呼びかけています。

インスリンは高温や直射日光を避けて保管する必要があるため、保冷剤や遮光ケースも一緒に備えておくと安心です。
インスリンなど自己判断で中断してはいけない薬がある場合は、災害時でも治療を止めないことが基本とされています。
不安な場合は事前にかかりつけ医と、災害時の対応について相談しておいてください。
電源が必要な医療機器を使っている場合は、モバイルバッテリーや、可能であれば予備の電源の確保も検討しておきましょう。
かかりつけ医に相談しておきたいこと
災害時にどのくらいの薬を備えておけばいいか、体調が変化したときにどう対応すればいいかは、症状や治療内容によって個人差が大きいため、この記事だけで判断せず、かかりつけ医に事前に相談しておくことをおすすめします。
「情報」を備えとして残しておく
モノの備えと同じくらい重要なのが、本人が説明できない状況でも周囲に伝わる情報の備えです。
情報カードの作り方と、周囲への伝え方の2つを紹介します。
アレルギー・持病情報カードの作り方
情報カードに記載する項目は、名前・生年月日・アレルギーの内容(原因食品・症状の程度)・持病名・服用中の薬・かかりつけ医療機関・緊急連絡先の7項目をテンプレートとして固定しておくと、家族の誰の分を作るときも迷わず書けます。

更新のタイミングは、処方薬が変わったときと、年1回の防災グッズ点検のタイミングの2つに決めておくと、情報が古いまま放置されるのを防げます。
カードは1枚だけでなく、本人の財布・非常持ち出し袋・家族のスマートフォンのメモの3か所に分散して持っておくと、本人がカードを持ち出せない状況でも家族から伝えられます。
高齢の家族向けの情報カードの作り方は、高齢の家族に必要な防災グッズでも紹介しているので、参考にしてください。
周囲への伝え方(職場・学校・避難所)
アレルギーや持病のことは、家族だけで抱えず、職場や学校、かかりつけの医療機関にも事前に伝えておくことで、災害時の連携がスムーズになります。
避難所に到着したときも、情報カードを提示することで、スタッフに配慮をお願いしやすくなります。
まとめ
食物アレルギーや持病がある家族の防災グッズは、一般的な備えに加えて、その人に合った食品や薬を多めに備えておくことが基本です。
避難所の対応をあてにせず、自分に合ったものを自分で用意しておくという考え方を持っておきましょう。
情報カードを用意しておくことも、モノの備えと同じくらい大切な備えの一つです。
具体的な対応に不安がある場合は、この記事だけで判断せず、かかりつけ医に相談しながら準備を進めてください。
今日のアクション
- 家族のアレルギー・持病・服用中の薬をまとめた情報カードを作る
- アレルギー対応の非常食や、薬の予備が今どのくらいあるか確認する
- 災害時の対応について、次回の受診時にかかりつけ医に相談してみる


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